(一冊の、薄汚れた日記帳。随分と薄汚れた表紙を捲れば、日に焼けたページには綺麗な文字が綴られているのが見える。が、所々で文字が滲んでしまっていたり、敗れてしまっている箇所が目立つ。)
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上陸二日目
色々と問題があったがなんとか遺跡に潜ることが出来た。
地形は変われども、遺跡内は前と変わらず摩訶不思議なことに変わり無い様子。
上を見上げれば満点の星空が確認出来る。月が明るい。
身体は特に問題なく動くようなので安心した。身体に訪れる変化も今のところは緩やかになっているようだ。
残る心配は薺のみ。あの子は元気だろうか。二食分は作り置きしてきたものの、あの子なら一度で食べてしまっているだろう。お腹は空いてはいないだろうか。風邪を引いてはいないだろうか。こうも気に止まるのならいっそのこと連れてこればよかったのではないかと今更ながらに思う。
遺跡に潜って暫く歩いているとライリッドに会った。
どうやらわたしを探してくれていたらしい。この方も変わりないようだ。
島に変化が訪れて、以前居られた方達の顔ぶれも随分と変わっているようだからもしかすると会えないかもしれないと思っていたが、良かった。これであの方との約束は果たせた。
後は目的に向かって歩いてゆくだけだ。
そういえば、銀狐はどうしているのだろうか。
可笑しな身形をした少女(確か、小宵といっただろうか)と、アロンジに着いていくよう命じ別れたまま連絡が無いままだ。
息災であるといいのだけれど。